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たくさんの道草と、ものづくりの合間の独り言。
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昨日 2010年3月16日は、母の25回目の命日だった。

今年は、長年放っておいたblog開設を実現させようと思いながらも3ヶ月が経ち、やっと着手したものの初めての記事がこういう内容になってしまった。
けれどお陰でメモリアルなスタートとなった訳だ。


話を戻すと、母の命日だが、私の地元には25回忌と言うものがあり、法要がいとなまれた祖母の家にはたくさんの方々が訪れてくださったと父から聞いた。



20代の頃は、母の命日を忘れることが良くあった。
仕事をしていたら知らぬ間に日をまたいでいて、台所からの激しい音(たぶんあれがラップ音…)で気が付いたこともある。 
そんな感じで生きてきたから、今回の25回目についてもそれほどの思い入れはなかった。
なかった筈だった。
でも、迎えてみると、想像以上にさびしかった。
ちょっと油断すると涙が流れてしまいそうなほどの気持ちの高揚に、自分でも驚いた。


経年の表現に「四半世紀」というざっくりとした言葉がある。
私が25年を意味するこの言葉を知ったのは、W浅野主演のドラマからだった(古い!)。
あのドラマでは、25年は”長いもの”として使われていた。
四半世紀も共にした私に良くそんなことが言えるわね!もう絶交よ!という具合に。

どうなのだろう。
他の人たちにとってどういうものか思いも及ばないけれど、 私にとっての25年間は、長いようでいて短かった。
母と私は、私達家族は、物理的な感覚が伴わなくとも25年を母と共に過ごしてきた。
微に入り細に入り覚えているのは、母を思い出すたびに乗り越えてきたたくさんの葛藤である。
それが今日の私を作り、それがあるからこそ私は私として生きて、これからも生きていける。


今日、続きを読もうと開いた小説のまさにそのページに、今の私に対する訓示が書かれていた。
”人生の不平不満を演じるドラマは一人では演じきれずに他人を巻き込もうとする、 そこに巻き込まれるな、巻き込まれれば最後、必ず負けてしまう”

今までどれだけの人を巻き込もうとしたことか。
時にはうまい具合に巻き込めたこともあったと思う。
逆に、巻き込むまいとしてじっと耐え続けたこともあった。
忙しさにすっかり忘れた気でいた時もある。
どれも、心の痛みを伴う辛い経験だった。
でも今は、それらの痛みは痛みのままに慈しむ事ができる。
時間の流れは、何ものにも勝るとはこういうことか。
悲しみは時の翼に乗って飛び去る、とか誰かのようにお洒落に表現して微笑むのもいいけれど、 今の私はもう少し泥臭く表したい。
事実、私の経験は泥臭かった。
25年は、まだそれらの湿り気を感じる長さでしかないと言うことかもしれない。

久々に取り出した母の時計は、20年前のオーバーホールを無視するかのように劣化していた。
時の流れは形あるものを蝕む。
けれどそれがあるからこそ実感できるのだ。
数年ぶりにねじを巻き、音を聞き、見た目は痛んでもしっかりと動く心臓に観念と実像のバランスを見た。


25年も経って、こんな風に過去を振り返るなど想像もしていなかった。
なんて素晴らしいんだろう。
だからこれからも、予測のできない素晴らしいことが起こるだろう。

心から、自分の人生と、人生をくれた母と、日々を共に刻んでくれる人々に感謝したい。

本当にありがとう。
 
そして、これからもよろしく!

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HN:
TOBARU SHOKO
性別:
女性
職業:
Creator
自己紹介:


フリーランスのジュエリー作家から調理の世界に寄り道後、アートのクリーエーションに魅了されて現在に至る。
育児支援施設にて親と子を対象とした造詣教室「親子でアート♪」を手掛ける他、下手の横好きで書きモノも少し。
アクセサリー制作は作家の補助、
初心者対象の教室、趣味での制作、など。
ちなみに画像は家宝のPIRELLI Calendar 96 by Peter Lindberghより。
okinawa出身。

                 
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