たくさんの道草と、ものづくりの合間の独り言。
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MOT東京都現代美術館で開催中の「こどものにわ」へ、友人と息子くん2歳と三人で行ってきました。現在MOTではアリエッティ展もやっていて、どこもかしこも子どもだらけで賑やか!普段では見られない光景です。
「こどものにわ」の会場は地下一階。”ひろいあの場所がどんな風になっているんだろう…?走りまわれたりするのかな?”入る前からドキドキワクワク、高まる期待とやる気で自然と足早に。
7つのブースには、若手5組のアーティストによる10の展示がありました。入り口の部屋は、パートドベールで造られたと思しき白いガラスのボールが吊り下げられた白い空間で、見るからに涼しげ。子どもも大人も、入るなり笑顔になるような雰囲気です。当日は再びの35度超えの猛暑日で、これは消耗している心にも嬉しい刺激でした。残念ながら触れることができず小さな子どもは素通り…と思いきや、目的はその先の短い通路。次の部屋と繋がる部分に薄い布がたっぷりとたわんで垂れ下げられていて、この布に触れないと進むことができません。その感触は…ふわふわしてて、前が見えそうで見えなくて、面白いしすごーく気持ち良い!
頑張って背伸びして、タッチ!そのトンネルを抜けるとそこは…
お花畑でした。
夢の世界のようです。走り回っても、座ったり寝転んだりしても大丈夫。
家族でピクニックのように寛ぐ人、リラックスして一休みする人。まるで公園に来たような落ち着きがありました。
次の部屋は、プロジェクターで投影したストライプの映像に重なる人間の影絵や、床の鏡に反射した光を楽しむ空間。触れたり、飛んだり跳ねたりしたい所を我慢させなくていけないのが辛い所でしたが、光の動きは楽しめたと思います。あんなに興味深いものがあるとどうしても身体で喜びを表現したくなるのが子どもですから、できることなら、もう少し好きにさせてあげられたらと思うのは、利用者のわがままでしょうか。
映像が流れる部屋には大きなビーズクッションがたくさん置かれていて、子どもは映像は見ずともその感触で楽しめ、大人はホット一息付けて、タイミングよく少し休憩が取れました。
しかしそんな時間も束の間、息子くん、走って次へ。
巨大なサッケーゲームと、
自転車を漕いでレースするゲーム!
夏と言えばツール・ド・フランス。小さい息子くんは切望するも参戦叶わず。
でも大丈夫!ここでアートに参加です。
色んな色と形のシールから一枚選んで…
壁にペタっ!お母さん、ここで良い~?
良いわよ好きに遊んじゃって~!
ワーイ!大満足!
シール貼りは子どもの大好きな作業。色んな色と形が重なって広がっている様子は、見ているだけで充実感がありました。
締めは、子どもイベントに欠かせないメッセージボードに落書きをして、隅々余すことなく楽しみました。
親子アートを手掛ける者として、子どもの心を掴むこと、親子で触れ合うこと、フラットな状態でお子さんと接することができるように親御さんにリラックスしてもらうことは、親子参加型のアートには欠かせない要素だと思っています。そして個人と社会との関わりが生まれるような流れを促すビタミン剤としても働き掛けることができたら、それは本当のアートと呼べるのではないでしょうか。
昨今の、幼児や老人などを取り巻く環境が急激に変化する中、楽しく触れ合いながら人間としての”愛おしさ”を身の内に感じられるようなこんな空間がもっと身近に、たくさんできる事を願いますし、また、私もそんなお教室を目指そうと思いを新たにした一日でした。
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東京は世田谷文学館で開かれていた「石井桃子展」に行ってきました。
石井桃子さんは日本を代表する児童文学の草分け的存在で、「トム・ソーヤーの冒険」「ピーターラビットのおはなし」の翻訳や「ノンちゃん雲に乗る」の作家と言えば、ピンと来る方も多いかもしれません。期間中 「ぐりとぐら」「そらいろのたね」「いやいやえん」などの作者である中川李枝子さんの講演会も開かれ、私はもう大興奮!ぐりぐらのあのパンケーキには、誰でも一度は憧れたのではないでしょうか!
さて、子どもの頃に読んだ本、忘れられない物語と言うと何があるでしょう。絵本、マンガ、児童名作選…。中川さんは、戦時中で物のない時代、ご両親が選り分けては本棚に並べてくださった少年文庫を愛読され、そのことをとても感謝していると仰っていました。子どもが手にする本には、まず親の選別という過程があるのですね。
子ども達の生活には、楽しさと同時に子どもだからこその悩みがあります。大人からどう見えようとも当人にとっては一大事で、中川さんもそんな問題を抱えては悩み、親に反抗したりしながら読んだ本の中で、同じように悩む世界中の子ども達と出会いました。それぞれの社会、環境で育ち励まし合っている子ども達の冒険にはらはらドキドキしては「みんな悩んでるんだ!根っこは同じだ!」と安心した経験から、“本は、悩める子ども達の避難所であり、友達であり、先生にもなる。正しく導いてくれるのだ。”と思うに至ります。ただし、それには本の中にも現実にも“ちゃんとした大人”が子どもの周りにいる環境が不可欠、とのこと(…これが一番難しい!?)。また、聴講者からの“子どもを本離れから引き戻すにはどうしたらよいか”という質問には、 生まれたときからの読書訓練(本の読み聞かせやたくさん話しかけるなど)で、テレビよりも先に読み聞かせに慣れさせることを解決法として挙げ、自ら進んで本を手に取りたくなるように物語に馴染ませることの大切さと、3L…Love,Laugh,Learn を大事にしながらとにかく自分が楽しんで、子どもを引き込み一緒に楽しむこと、を強調されました。
展示会場は、石井桃子さんの生い立ちに始まり、思い出の品々や「ピーターラビットのおはなし」「うさこちゃん」の訳書をはじめ、「ノンちゃん雲に乗る」「3月ひなのつき」など様々な本の制作過程、また、絵本の原画や親交のあった方々とのたくさんの言葉に溢れていました。特に興味深かったのは、50年経って思い出される子どもの頃の記憶についての考察です。両親との肌の触れ合いをはじめ日常の風景が多いことを振り返り、特別な出来事が思い出になるわけではないこと、それらはどういうきっかけで子どもの心に残るのだろう?との問いなど、共感できる部分が数多くありました。そして最も印象深かったのは、翻訳を手掛けられたひとつ 「百まいのドレス」 という作品に寄せた一行です。
お話しは、1950年代のアメリカのとある小学校が舞台です。そこに転校してきた貧しいポーランド移民の女の子ワンダが “私は100枚のドレスを持っている” と言い張ったことでいじめられてしまうのですが、ある日突然、紙に描かれた美しいドレスの絵を残して学校を去ってしまいます。彼女は、本当に100枚のドレスを持っていたのでした。
人種差別やどこにでもある子どものいじめ、失って初めて分かる痛みや許しを含んだ教訓の他にも、歴史的背景という深いテーマが隠されているこの物語に、石井さんはこう寄せています。
人種差別やどこにでもある子どものいじめ、失って初めて分かる痛みや許しを含んだ教訓の他にも、歴史的背景という深いテーマが隠されているこの物語に、石井さんはこう寄せています。
~ワンダが100枚のドレスを描いて行くうちに、自分の才能の芽を見出したのではないかと心を打たれたのです。
児童文学は、読む子ども達を成長に合わせて楽しませ、たくさんのことに気付かせてくれます。その子どもたちと一緒に楽しみながら、私達も今一度児童文学に触れてみるのも良いかもしれません。
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Profile
HN:
TOBARU SHOKO
性別:
女性
職業:
Creator
自己紹介:
フリーランスのジュエリー作家から調理の世界に寄り道後、アートのクリーエーションに魅了されて現在に至る。
育児支援施設にて親と子を対象とした造詣教室「親子でアート♪」を手掛ける他、下手の横好きで書きモノも少し。
アクセサリー制作は作家の補助、
初心者対象の教室、趣味での制作、など。
ちなみに画像は家宝のPIRELLI Calendar 96 by Peter Lindberghより。
okinawa出身。
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