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たくさんの道草と、ものづくりの合間の独り言。
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珍友に誘われて、珍友が敬愛して止まない人類学者の中沢新一さんの講演会に行って来た。今回は雑誌「ソトコト」に連載されていた、坂本龍一さんと縄文を求めて聖地を巡る旅をまとめた本の出版記念。
中沢新一さんの講演はこれで二度目で、今年の2月だったか、世田谷パブリックシアターの芸術監督である野村萬斎さん企画の解体新書というシリーズでの”『依代(よりしろ)』~宿りというポイエーシス(創造)”が最初だったのだけど、人類学と言えばライアル・ワトソンと柳田国男で止まっている私にとってそれはとても刺激的な時間で、その後珍友と熱く語っては終電を意図的に逃し(!?)、"日本人として外に打って出るにはトラディショナル・ジャパンを意識することが最良の策である!”と泊り込んで更に語ったと言う経緯があるだけにワクワクして出掛けた。が、坂本龍一さんが冷静なので今回はそこまで熱くはならなかった気がする。
ただ、今回も個人的に琴線に触れる言葉があって、それは何かというと”日本人は多民族である”、そして”死ぬ時は母国語の通じる所で”という坂本さんが本に残している言葉だった。

「日本人は多民族」。先住民族であるアイヌの人々や琉球人の現在の姿を見てもそうなのだろうなあと想像することが出来るのだけど、それ以外の、いわゆる内地には特筆すべき特徴は無いような気がする。日本人がそう思うのだから、コーカソイドの大陸の人々から見れば”均一な民族”と呼ばれても仕方ない、と思う。現にミネソタの友人からのメールには、”日本は、文化だけでなく民族としての均一性がとても興味深い”とあった。

その友人とここ最近の話題で多く触れる事柄に、友人のルーツがある。了承を得ぬままに書いてみるので後で削除してしまうかもしれないが…
友人のご両親は、フィンランドからの移民としてミネソタに移り住んだ。国をまたぐ=文化をまたぐと言う意味では私の両親も経験しているので、始めはアイデンティティ・クライシスについて質問してみたが、それについての友人の内面はとても整理されていてどちらかと言うと私の方がとっちらかっているのは、住む国や環境のせいだろうと思う。私達は同い年でお互いの親の年も似通っているので歴史が追いやすく、最近はww2の話題も多くなり、かつてのソ連と接するフィンランドはさぞ大変だったろうと質問した所、こういう返事をもらった。
”父や父の家族は避難民として故郷であるkareliaを出た。その後kareliaの東側はソビエト/ロシアに占領され、二度と戻らなかった。日本のkuril Islandsと同じように”。
一瞬「?」となるのは私だけではないと思う。kuril諸島とは、北方領土のことである。
アイヌの人々については時々触れても、アメリカ人の友人から指摘されるまで私は北方領土の問題をすっかり忘れていた。それよりもまず、友人が知っていたことに少なからず衝撃を覚えた。私って国際レベルでも非常識なのかと不安にもなった。突っ込んだ所、大学でロシアと日本の歴史や地理を学んだと言うことだからほっとしたのだけれど。
お父様と故郷のその後だが、友人もお父様もkareliaのその地を訪れたということで安心した。故郷を離れた時は4歳だったお父様は当時を良く覚えているということだから、さぞ寂しい思いをなさったことだろう。友人にも書いたけれど、故郷を失くすことは、人生で最も悲しいことの一つだと思う。

”死ぬ時は母国語の通じる土地で”。坂本龍一さんのこの言葉は、もっと言えば”死は故郷で迎えたい”と言うことなのではないだろうか。それが叶わない人達が、世界にはどれだけいるのだろう。
そして私はどう願うのか。珍友は完全に私の描く縄文人の風貌である。珍友に言わせれば、私は弥生人らしい(まあ、否定はしない)。故郷が同じでも違いがあるのは面白い。だから死ぬ時は、幸せであればどこでも、周りがモンゴロイドでもコーカソイドでもなんでも構わないかな、私は。加えて自分のルーツを理解し、そして世界が平和であればもう言うことはない。
あと、もうひとつ。人類学を考える時、日本人としての今を必ず日本の外、アフリカ大陸だったりユーラシア大陸だったりそう言う大きな規模で考える。グレートジャーニーも新説が出てきている様でとても楽しい。
自分の起源が外にあるのは、私には救いに思える。そして人類はひとつの出である事を思う時、心はとても平安に満ちた心地がする。今回のテーマである聖地がある時代までは世界的に同質であったことも、自分の足元を掘り下げつつ視野を広げる良いきっかけになった。
人類の”求め”とは何か。こういう大きな大きなロマンはきっと、いつか人類を救うとそう信じている。

なんだかまとまらないけど、講演会の後で思ったことを。

*写真は抽選で当たったサイン本。どっちがどっちのサインかは分かりませーん。


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TOBARU SHOKO
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女性
職業:
Creator
自己紹介:


フリーランスのジュエリー作家から調理の世界に寄り道後、アートのクリーエーションに魅了されて現在に至る。
育児支援施設にて親と子を対象とした造詣教室「親子でアート♪」を手掛ける他、下手の横好きで書きモノも少し。
アクセサリー制作は作家の補助、
初心者対象の教室、趣味での制作、など。
ちなみに画像は家宝のPIRELLI Calendar 96 by Peter Lindberghより。
okinawa出身。

                 
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