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たくさんの道草と、ものづくりの合間の独り言。
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普天間米軍基地の移設問題がぐちゃっとしている。
4/25の県民集会、そこでの9万人の意思表示、身に着けた黄色い布、地元の人々の演説、普天間基地のある宜野湾市の高校、その学生による訴え…私が通っていた高校の学生だ。後輩がこうやって演説する姿を東京で、全国ネットのニュースで見るのは2回目だ。1回目は、米兵の幼女暴行事件。2回目が、今回。あ、市内の大学構内にヘリが墜落した事故もあったから、今回は3回目なのか。

沖縄の義務教育課程には、私の頃は郷土史があって、沖縄戦を含めて毎年学ぶのが普通だった。特に宜野湾市は「未来の宜野湾市」と題して普天間基地の跡地利用について考えるのが課題のひとつで、作文を書いたり、グループに分かれて絵を描いたり模型を作ったりした。
毎年だと正直ネタは尽きる。普天間基地の隣で生まれ育った私にとっては普天間基地のある景色が”故郷の風景”でもあるから、無い状態がどういうメリットをもらすのか、根本的には分かっていなかったと思う。だからもし、その課題で良い成績を取っていたとしたら、それは”教育”を”私という鏡”が写し取っていただけだったかも知れない。とにかく教育は考える種となり、思春期を迎えて高校を卒業する頃には、地元の友人達と”普天間基地がどこかに移ることでそこを不幸にするなら今のままで良い”という共通の思いを抱くようになった。

”ぜんぶフィデルのせい”という映画がある。カトリックの小学校に通う上流家庭の少女が、両親が共産主義に傾くことにより今までの生活が崩れ、新しい価値観に出会い、それを受け入れてゆく過程を描いた”小さな胸の葛藤物語”だ。
小さな胸はそれはそれは激しく揺れ動く。こんな馬鹿なことって無い!と怒りもする。今まで白だったことが黒かも知れないと考えるのは、大人も、子どもも、苦しいものだ。だから大人は少女と真剣に向き合う。できる限り説明もする。段々と、子どもは説明してくれる大人を信頼してみようと思うようになる。
そうやって過ごす内に、少女はある日、学校で習う聖書に矛盾を感じて教師であるシスターに質問する。シスターは答える代わりに少女を廊下に立たせた。答えを得る代わりに罰を受けたことが、少女の価値観の塗り替えを決定的にした。その姿は、私がカトリック教会に通っていた頃の日曜学校での体験に似ていた。質問する前の受身の少女、盲目的に信じる姿もまた、義務教育を受けていた頃の私そっくりだった。

”選べる自由”の自由度ははかり知れない。
少女は子どもだから、今は親の導きで生きなくてはならない。だけど大人になった時に、ふと立ち止まるはずだ。いくつかを比べた時、片方だけが全て悪いという場合は少なくて、どちらにも良い面があることにも気が付くと思う。その時に彼女は、どの価値観で、または自分で新たな価値観を得て生きるかを選ぶだろう。そうやって考える材料があることは、とても大きな財産だと思う。人生において。

私の母は、宮城県仙台市に生まれ育って、1961年に東北大学を卒業した沖縄人の父と結婚、まだ日本ではなかった沖縄にパスポートを持って嫁いだ。だから私の身体には、確実に二つの価値観が同居している。映画の少女のように葛藤しながら生きて、それが財産になり得ると信じ切れる様になるまで長い時間を要したけれど、いつだって私を私たらしめて立たせてくれるのは、この二つの価値観だ。


沖縄は、日本か。日本は沖縄を擁しているのか。
その政治的な問題が土地や人を隔てても、人間の血の価値観はいつだって正しく生き残る。
普天間基地がどう転んだとしても、やっぱりこれしかない。

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HN:
TOBARU SHOKO
性別:
女性
職業:
Creator
自己紹介:


フリーランスのジュエリー作家から調理の世界に寄り道後、アートのクリーエーションに魅了されて現在に至る。
育児支援施設にて親と子を対象とした造詣教室「親子でアート♪」を手掛ける他、下手の横好きで書きモノも少し。
アクセサリー制作は作家の補助、
初心者対象の教室、趣味での制作、など。
ちなみに画像は家宝のPIRELLI Calendar 96 by Peter Lindberghより。
okinawa出身。

                 
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